FP&Aとは?
FP&A エフピーアンドエー
FP&Aとは、Financial Planning and Analysis ファイナンシャル・プランニング・アンド・アナルシスの略で、直訳すると「財務計画と分析」という意味です。中堅・大企業の外資系で一般的な職種です。会社の規模や業種によりますが、1ヶ月、四半期、年単位で会社の損益と業績を予測して、経営陣にアドバイスをするポジションです。経営陣は、FP&Aチームが提供するレポートをもとに、会社のビジネス戦略や投資の効果などを確認し、必要に応じて今後の計画を調整します。通常、FP&AチームはCFO直属で働きます。
FP&Aチームは、会社の「目」と「耳」となり、管理会計(予測値と実測値を確認する業務)を担当します。過去の業績を把握するのはもちろん、将来の業績に影響を与える可能性や方向性を察する能力が必要です。これには、会計とマネジメントの幅広い知識が求められため、FP&Aチームは、オペレーション、販売、マーケティング、財務、経理など、すべての部署との連携をとります。
Controller コントローラー
コントローラーは、企業の財務会計を幅広く取り扱います。過去の取引が正しく記帳されたか、関連の法令及び規制を遵守しているかを監督し、企業の会計帳簿を管理します。コントローラーが、税務チームや人事チームを受け持つこともあります。
Treasury トレジャリー
トレジャリーは企業の預貯金、負債、資産を管理します。主に、流動性リスクや金融投資の管理、資産構造の最適化、負債および株式発行の監督を担当します。
FP&Aの業務内容
バジェットとフォーキャスト
FP&Aチームは、経営陣が作った長期的なビジネス・プラン(2〜10年先の会社の売上、純利益、経営戦略などの大きな目標)を実現させることがメインの役割です。ビジネス・プランを達成するために、運営計画や財務計画を立てるこのプロセスは、corporate performance management コーポレート・パフォーマンス・マネジメント または企業業績管理とも言います。
昔は、年間固定予算を組むことをFP&Aと言っていました。しかし、日が経つにつれて固定予算と実績の差異が発生するため、近年では従来の予算編成と並行して、ローリング・フォーキャストと呼ばれる最新の実績データを反映させながら予算を組むことが多くなっています。FP&Aチームは予算差異を分析して、会社が目標としている数値にどれだけ達成しているかを経営陣に報告します。
経営サポート
FP&Aチームは、フォーキャストと差異分析するだけでなく、そのデータをもとに、パフォーマンスの向上、リスクの最小化、社内および外部環境ビジネスチャンスなどについて経営陣にアドバイスをします。このために、FP&Aチームは通常、下記の内容をまとめてCFOや経営陣に報告します。株主や取引先などの外部の利害関係者からの期待に応えられるかどうかの判断材料としてレポートが利用され、業績アップやある特定の目標を達成する方法を考えます。
- 過去の財務分析
- 差異の発生理由
- 現プランに伴うリスク、チャンス、最新フォーキャスト
- KPI (Key Performance Indicator の略。日本語に訳すと「重要業績評価指標」)
アドホック
FP&Aは業務の性質上、特別なプロジェクトに関わります。内容は会社によって異なりますが、以下はプロジェクトの一例です。
- M&A:買収ターゲットを見つけ、Due Dilligence (事前調査)や、事業の合併や買収をします。
- 業務改善:大企業は、社内システムやツール同士が連携されておらず、非効率的になりがちです。手作業で対応しており、人手と時間がかかっています。FP&Aチームが実際に非効率な作業に関与していることが多いため、FP&Aチームが業務改善係になるケースがよくあります。
- 市場調査:市場規模、業界リーダー、ビジネスチャンスを探します。
- 資本配分:企業の資本を何にどのくらい使うべきか。